【秘密結社】izimedarake

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心の傷を癒す「大好き」の効果

「アイツマジ嫌い」
言葉でストレートに敵意を示されたとき、理不尽な理由で悪意ある態度を取られたとき、私たちは、相手に嫌われたのだと状況を理解する。
長い人生の中で、人に嫌われることなんて数えきれない程あるし、これからもなくなることはないのだと思う。
もちろん、そんなことは重々承知なのだけれど、短い人生の中で何度も人に嫌われると、やや受け取りかたが偏屈になってくる。
例えば、いまよりもずっと若かった高校生の頃の私は、周囲の人から嫌われる経験が普通の人よりもかなり多かった気がしたことから「自分は周囲から好かれない人間なのだ」と思うようになったし、その思いが確信に変わる経験をその後さらに積み重ねたことで「自分は基本的には人から嫌われる種類の人間なのだ」と理解するようになっていた。
そして、自分が嫌われ者だと思うようになると、生きることが少し不便になった。例えば、当時の私は自分が心から安心できる人以外の前では相手からの評価を異常なまでに気にして生活していた。ちょっとしたことでも文句をつけられて嫌われるのではないかと、仕草ひとつ一つがぎこちなくなってしまうことも何度もあった。それはとても不便な毎日だった。
では、当時と比べて、いまの私はどうだろうか。
実はいまの私も過去の経験から「相手に嫌われたらどうしよう」とすぐに不安になる傾向は変わらないが、以前ほどではなくなってきており、さらに私は、ときおり「自分は人に好かれる人間なのかも」と思うことが以前よりかなり増えてきた。
まだまだ伸び代はあるものの、昔の私と比べれば、とっても大きな進歩ではないかと思う。
では、なぜ、私はこんなにも自分に対しての評価を少しずつでも改善することができたのだろうか。
思いあたることがひとつある。
それは「大嫌い」の反対の言葉である「大好き」という言葉の積み重ねだ。
思い返してみると、私は「大嫌い」と言葉や態度で伝えられた数の数百倍の「大好き」を色々な方々から頂いたことで、少しずつ偏屈さの原因となっていた心の傷の痛みが和らいでいったような気がする。
「大嫌い」と伝えられた数だけ「大好き」と言われても「絶対嘘!」と反射的に否定してしまうのに、「大嫌い」と伝えられた数の何倍も「大好き」と言われると「本当にそうなのかも!」と勝手に心の傷が塞がろうとしてきてくれている感覚に徐々になっていく。
いまの私はこの経験の積み重ねで、本当に少しずつ、偏屈な自分からちょっとずつ成長できてきているような気分になっている。
「大好き」という言葉の威力は、即効性はないけれど、積み重なると、とっても大きなパワーになる。
だからもし、いま「大嫌い」ばかりの日々で昔の私のように悲観的になっている方々いたら伝えたいことがひとつある。
「大好きに出会うことを諦めないで!」
きっといまは「大嫌い」ばかりの毎日で辛いかもしれないけど、でも絶対にその何百倍も「大好き」をくれる人はこの世にたくさんいるはず。だから、その人たちに出会うことを絶対に諦めないでほしい。
そして「大好き」の言葉を大好きな人に伝えることも絶対に忘れないでほしい。
きっとそうやってみんなが「大好き」の言葉を与え合えるようになっていけば、いつか私が感じたあの不便さを味わう人がいなくなる未来も実現可能になっていくのではないかなと私は信じている。

By 茶子くん