【秘密結社】izimedarake

いじめに関する記事を書いています

深海魚ですけど、なにか(2)深海魚の悲劇

あるところに
一匹の魚がいました

その魚は海の深い層にいるときに最も幸せを感じるタイプの魚で
できることなら、深海の奥深くでずっと暮らし続けたいと思っていました

そんなある日
ウトウトしていると
その魚は浅瀬に流されてしまいました

「暑いなあ」
浅瀬には太陽の光が照りつけていました
その魚は太陽の光が苦手でした

魚は慌てて深海に戻ろうとしました

すると、そのとき
浅瀬の向こうの浜辺から
人間たちの声が聞こえてきました

「わああ、太陽最高!」
「わかる、わかる。気持ちいい」
「太陽のない人生なんて考えられないよね」
「そう、そう、太陽がなかったら、私、死んじゃうな」
「アハハ、確かにね」
「太陽の光が嫌いな人なんていないよね」
「だよね。もしいたとしたら、超かわいそう」
「そうだね。人生終わってるね」

人間たちは太陽の光を楽しみながら
はしゃいでいたようです

一方
この人間たちの会話を聞いたその魚は
がっくりと肩を落とし
落ち込んでしまいました

その魚はいままで深海にさえいられれば「自分は幸せ」だと思っていたのに
人間たちからすると、太陽に当たらない生き方は「死んじゃう」ような「超かわいそう」な生き方だと思われていたことを知ってしまったのです

深海でしか生きられず
太陽に当たることが苦手な魚は
自分に自信をなくしてしまい
深海にいても
そんな自分が惨めになってくるのでした


これが「深海魚の悲劇」です

次回は、さらに詳しく解説していきます

By 茶子くん