正論だけじゃ報われない者もいる!
先週、とあるニュースで、政治家のO議員がTクリニックのテレビCMを「陳腐なコマーシャル」だと発言したことが取り上げられていた。
その内容は、O議員がTクリニックのテレビCMのことを
「イエス○○とクリニック名を連呼するだけのCM」
と「陳腐なコマーシャル」の一例として発言したというものだ。
それに対し、テレビCMを「陳腐」だと言われたTクリニックのT院長は激怒し
名誉毀損でO議員らに損害賠償などを求めて裁判を起こしたのだが
「陳腐」という表現の対象は「Tクリニック」のことではなく「CM 」のことである!
という理由から、T院長の訴えは退けられてしまう。
私は裁判や政治に詳しくないため、このニュースのことを少しばかり調べたところ
憲法上では、国会議員には「免責特権」というものがあり
「議院で行った演説や討論などでの発言は
院外で責任を問われない」
ことになっているらしい…。
つまりO議員が、TクリニックのテレビCMを「陳腐」だと発言しても
それは「仕方ない」ということになってしまうのである!
T院長にとっては、なんとも報われない話である!
また、T院長にとって「イエス、Tクリニック!」というキャッチコピーは、ただのキャッチコピーではなく、亡くなったT院長の妻の遺産であったとも、彼は裁判で主張していた。
誰よりも「イエス、Tクリニック!」というキャッチコピーを大切にしていたT院長は、上記の判決に納得いくハズもなく
「僕は傷ついているんですよ!」
と自分の心情を語っていた。
そして実は、この判決に納得していない者が、T院長の他に、もう1人いる。
そう、私である!
その理由は、O議員の心ない発言で、T院長はとても傷つけられたのに対し
T院長を傷つけた当の本人であるO議員が、謝罪1つしないことに、私はとても腹が立ってしまったからである。
それだけでなく、私はこの判決を見て
生徒からいじめの相談を持ち込まれたときの、教師の悪い対応の仕方を連想してしまった。
なぜならこの裁判では、
「法律では〇〇だからO議員は無罪!」
という理不尽な判決を下され、被害者であるT院長の気持ちが無視されているように、私は思えたからである。
これはまるで、生徒からいじめの相談を受けた教師が、いじめの被害者の「辛い」という気持ちに耳を傾けず
「いじめの証拠がないから加害者はいじめをやっていない!」
と、加害者の悪事をなかったことにしている状況と、かなり似ているような気がする。
これでは、いじめの加害者の悪事が許されていくように
この先もO議員が、他のCMを馬鹿するような内容の発言をしても、法律に護られ、許されていくのではないだろうか?
確かに判決を下す裁判官も、いじめの相談を受けた教師も、法律を勉強したり、それぞれの価値観を持っているので、上記のような判決も正論なのかもしれない。
しかし、T院長や、いじめの被害者のように、その正論だけじゃ報われない者もいるということも、分かってあげてほしいなと私は思う。
例えば、T院長が求めた損害賠償は無理でも、O議員に一言でもいいから、謝罪の言葉を頂くようにするだけで、T院長の気持ちが大きく違ったハズではないだろうか?
裁判でもいじめの相談でも、正論だけでなく、被害者の気持ちも大切にしてあげてほしい。
これが今回紹介したニュースで、私が思ったことである。
この裁判の結果、皆さんはどう思っただろうか?
正論も大切だけど、被害者の気持ちも少しは主張してほしいという私の訴え
少しでも誰かの心に届いていることを願っている。
by ごき
【参考文献】(名前は伏せております)
・livedoorNews
「Tクリニックが損害賠償などを求めた裁判 東京地裁は名誉毀損認めず」
・日刊スポーツ
「K.Kさん、Tクリニック訴訟判決に同情も…」