【秘密結社】izimedarake

いじめに関する記事を書いています

許されない時間

前々回、私は
合唱コンクールのために行う「合唱練習」が
唯一クラスでいじめを受けない、安心した時間だと話をした。

今回は逆に
前回の話より過去にあった「合唱練習」で
いじめを受けた話をしたいと思う。


それは
中学入ってから最初の合唱練習のときだった。

そのときも私は
クラスの男子たちにいじめを受けていて、
そこそこ辛い学校生活を送っていた。


そんなある日
事件は起きた!


私が合唱を行うときの立ち位置は
全体の真ん中だった
そこは男子と女子の境目であり
私をいじめている男子たちのすぐ隣だった。


その日私は
合唱コンクール
少しでもみんなの力になりたいと思い
合唱練習を一生懸命取り組んでいた。

いつもは抑えている声も、腹いっぱい出して歌っていた。


そして合唱の先生が
「男子と女子で別々に歌ってみましょう。男子は女子の、女子は男子の合唱を聞いて評価して下さい」
と言い、男子と女子で別々に歌うことになった

そして
女子だけで合唱を行おうとしたときに
私をいじめている男子たちが私を見て
こう言ってきた


「よし、ダサい声を聞くぞ!」


私はその一言がショックだった…。

私の声、
そんなふうに思われていたんだ…。

確かに
私は昔から
「自分の声はみんなの声となんか違うな…」
と自覚していたが
まさか「ダサい」とまで言われるとは思っていなかった。

そんな男子たちの些細な一言で
今まで開いていた私の喉は一気に塞がり
歌いたくても歌えなくなってしまった。


しかし
私の心が立ち直るまで時間は待ってくれず
先生はピアノを鳴らし始めた。

気が付いたら
私は口パクだけで歌っていた。



そして歌が終わり
先生が男子たちに女子たちの歌の評価を聞いたら

私をいじめている男子たちが
「ごき歌ってなくね?」
と、「女子たち」ではなく「私個人」の評価をしてきた
男子たちが野次を飛ばし始めたのだ。

それもそうだ
彼らは私のとてつもなく「ダサ〜い声」を聞いて馬鹿にしたいだけで
女子たちの合唱の評価なんてどうでもよかったのだから。

その期待を
最低な私はきっぱりと裏切ったのだ。

野次くらい飛ばされて当然だろう…。


合唱練習で頑張りたいだけだったのに
その頑張りさえたった一言でめちゃくちゃに踏みにじられてしまった。


私はあのとき
どうすればよかったのだろうか…。


黙って男子たちに笑われていれば良かったのだろうか?

それとも
私がもっと綺麗な声だったら
男子たちも「私の合唱」ではなく「女子たちの合唱」を評価してくれていたのだろうか…。


by ごき